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同所性完全置換型人工心臓による動物実験の生存は1958年,阿久津1)により犬を用いて90分の生存が報告されて以来,この20年間に改善につぐ改善が重ねられ,最近では100日を越える生存例2〜4)が得られるようになった。しかしながらこの開発計画の最終目的である臨床応用にはなお多くの解決すべき諸問題5)が残されている。
一方,長期生存動物が得られるにつれて,循環生理学への研究の実験モデル6〜8)として人工心臓が注目し始められ,薬物の心血管系に対する反応を人工心臓置換動物を用い,心臓自身の直接作用と末梢血管への作用とに分離して理解しようとする試み9)がなされている。しかしながらこれらの実験ではわれわれが長期生存実験に用いている駆動条件を用いるかぎり,人工心臓の特徴を充分に発揮させえたとは言い難い。これらの実験には心血管系に対する薬物の作用,神経系反射の心血管系の作用などが人工心臓機能そのものに影響を与えぬような駆動条件を設定することが特に要求される。すなわちこの観点からわれわれは人工心臓を用いin-vivoおよびin-vitroの実験を行い,種々の因子によっても影響を被らない駆動条件の設定を試みたので,ここに報告する。
In recent years along with the increase in survival time of TAH implantated animals more than 100 days, a tension have been paid to use these animals as good models to conduct severalstudies in understanding basic circulatory phys-iology.
Since the TAH lacks the biological feedback, it is not affected directly by neural reflexes and humoral factors. But in usual chronic ex-periments, TAH provides cardiac function curves which approximate those of the natural heart, an increase in venous return causes an increase both in atrial and cardiac output.
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