Japanese
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特集 膵炎の外科
急性膵炎
治療成績からみた検討
Clinical study and therapy of acute pancreatitis
中山 和道
1
,
小林 重矩
1
Toshimichi NAKAYAMA
1
1久留米大学古賀外科教室
pp.1535-1542
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205918
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はじめに
急性膵炎の治療において古くは早期開腹手術が強調された時期もあつたが,諸技術未熟のためかその手術成績はきわめて悪く1)2),次第に保存的療法の治療方針が多く行なわれるようになりかなりの死亡率の低下をみており,最近では抗酵素療法,輸液および抗ショック療法等の発達により積極的保存療法の治療成績は著しく向上し急性膵炎治療の主流をしめている.しかし急性膵炎類似の臨床像を呈する急性腹症群にはアミラーゼ値の異常上昇を示すものが少なくなく,診断に決定的な検査法が欠けるため,確定診断,的確な治療方針の決定のために,併発症に対する処置の目的でしばしば開腹が必要な場合に遭遇すると思われる.また術後管理の進歩,手術技術の向上により,より安全に開腹術が行なわれるようになつたため,かなり積極的に早期手術をすすめる人もある.重症例においてはまだかなり死亡率は高く,急性膵炎は諸治療方針に一定の見解をみず,いろいろな難問をひかえている.そこで著者らの経験せる症例をretrospectiveに検討を加え,反省し,問題点についてふれてみたい.
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