Japanese
English
論説
肝動脈結紮後の肝機能の変化
Liver function changes after hepatic artery ligation in man
永末 直文
1
,
綾部 欣司
1
,
村上 博圀
1
,
市丸 喜一郎
1
,
荒木 貞夫
2
,
草場 威稜夫
3
Naofumi NAGASUE
1
1済生会八幡病院外科
2福岡大学医学部外科
3九州歯科大学外科
pp.1135-1141
発行日 1973年8月20日
Published Date 1973/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205864
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はじめに
1922年のRitter,A.37),1933年のGraham,R.R.13)らの報告以来,肝動脈結紮は腹部外科に携わる者にとつては常に不安な合併症であつた.これらの報告は胃,胆嚢,総胆管,膵などの手術時に不慮の合併症としてみられたもの(accidental hepatic artery ligation)であるが,最近でのaccidental hepatic artery ligationの致命率も半世紀前のそれとあまり変つていない.すなわちMonafo,W.W.28)らKarasewich,E.G.18)らは最近の報告の中で,もし肝固有動脈あるいはそれより末梢での損傷に気付いたら,ただちに血行再建をすべきであると述べている.しかしBrittain,R.S.10)ら,Andreassen,M.6)らの報告のように致命的な影響のみられなかつたものもある.
これに反して1950年頃より肝硬変症16,36),肝動脈瘤20),肝血管腫17),肝外傷38),肝動静脈瘻24)などの治療法としてやむなく,肝動脈結紮を行ない(therapeutic hepatic artery ligation)生存できた症例が多くみられるようになつた.
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