Japanese
English
症例
吐血症例(主として胃出血)の臨床病理学的考察
Clinicopathological studies on gastric bleeding
高松 脩
1
,
磨伊 正義
1
,
井口 英樹
1
,
森田 弘之
1
,
今井 武司
1
,
正来 恭定
1
,
小島 靖彦
1
,
浅井 伴衛
1
,
津田 宏信
1
,
武川 昭男
2
,
渡辺 騏七郎
2
Osamu TAKAMATSU
1
1国立金沢病院外科
2国立金沢病院検査科病理部
pp.1019-1022
発行日 1973年7月20日
Published Date 1973/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205852
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はじめに
胃出血の原因としては,きわめてまれなものを含めると,多種多様であるが,長尾によると胃内原因によるものが90%を占め,胃内原因中では潰瘍がもつとも多くその70%を占める.一方胃癌,胃炎による出血もそれぞれ13.5%,12.5%と多く,実地医家の注目されるところである.
胃出血患者の治療的立場から問題となるのは,吐血あるいは下血などの顕性出血をきたした場合である.Howellによれば,吐血の73%は下血を伴うものとされているが,本邦では下血は見逃されることが多く,その頻度は報告者によりまちまちである.一方,吐血は患者の精神的不安を伴い,必ず医家を訪れ治療を受けており,比較的正しい病像が把握されているものと考えられる.
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