Japanese
English
症例
Zollinger-Ellison症候群の1例
A case of Zoliinger-Ellison Syndrome
一宮 源太
1
,
殿田 重彦
1
,
中道 登
1
,
樫谷 益生
1
,
川口 爾朗
2
,
久留 裕
3
,
中村 靖男
4
,
永井 清和
5
,
江本 正直
5
,
山本 富一
5
Genta ICHIMIYA
1
1和歌山労災病院外科
2和歌山労災病院内科
3和歌山労災病院放射線科
4和歌山市中村医院
5和歌山医科大学第2病理学教室
pp.1013-1018
発行日 1973年7月20日
Published Date 1973/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205851
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はじめに
Zollinger-Ellison Syndrome(ZES)は,1955年の提唱以来年々報告例が増して現在600例以上に達しており,そのclinical entityはもはや疑いないものとなつている1).しかし診断にはgastric hypersecretionとintractable peptic ulcerなる臨床的2徴に加えislet cell tumor(of hyperplasia)の存在を証明せねばならないので実際には確診をえがたい場合が多く,本邦では診断確実とされているものはわずかに10例を越えるに過ぎない.
一方,ZESのdisease entityは依然として謎に包まれており,一元的疾患か否かについても議論のあるところであるが,膵島以外の内分泌腺に病変を合併することが意外に多く3),ZESをmultiple endocrine adenom-atosis(or adenopathy)(MEA)の1 componentとみなす説が有力になつている1).
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