Japanese
English
論説
甲状腺悪性リンパ腫の臨床的研究
Malignant lymphoma of the thyroid gland
原田 種一
1
,
伊藤 国彦
1
Tanekazu HARADA
1
1伊藤病院外科
pp.245-252
発行日 1972年2月20日
Published Date 1972/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205551
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はじめに
悪性甲状腺腫の大部分は,癌,とくに腺癌で占められ,甲状腺の悪性リンパ腫はきわめてまれである.
甲状腺原発の悪性リンパ腫は,1930年代にRice1),安保2)らが報告しているが,Ewing3)は,その存在を否定し,過去においてはその存在が疑問視されていた.しかし悪性リンパ腫には,赤崎4)ものべるように,全身びまん性,または多中心性のものと,局所性,臓器発生の単発型のものがあることが判り,Brewereら5)は,広範囲に文献を調べ,自験例をも加えて甲状腺原発の悪性リンパ腫について報告し,Waltら6)は,30例の小細胞癌と診断されていた症例のうち18例が悪性リンパ腫であつたとのべ,現在ではその存在が承認されるに至つた.
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