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特集 早期癌の外科治療
早期乳癌の外科治療
Surgical treatment of early breast cancer
久野 敬二郎
1
Keijiro KUNO
1
1癌研究会附属病院外科
pp.39-43
発行日 1972年1月20日
Published Date 1972/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205519
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はじめに
早期乳癌の定義が確定されているわけではないが,わが国では厚生省の「乳癌早期発見の開発に関する研究班」では成績をまとめる都合上,手術材料における肉眼的腫瘤の長径が2cm以下のものを一応早期乳癌ということにしている.この場合,リンパ節転移の状況は考慮に入れない.長径2cm以下の乳癌の頻度は,われわれのところで手術したprimary caseの乳癌1,773例のうち749例で,42.2%である.
乳癌の長径と組織学的腋窩リンパ節転移率との関係は付図のごとく,長径1.0cm以下では,転移陰性83%,転移リンパ節1〜3コ15%,4〜10コ1%,11コ以上1%,長径1.1〜2.0cmでは,転移陰性64%,1〜3コ26%,4〜10コ6%,11コ以上4%,以下腫瘤が大きくなるにつれて腋窩転移率は高くなる.長径2cm以下の乳癌749例のうち腋窩転移陽性が232例31%あるということは乳癌の治療に際して十分に考慮しなければならないことである.
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