外国文献
原子爆弾被爆と癌,他
pp.483
発行日 1971年3月20日
Published Date 1971/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205327
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Jablon(Lancet 2:1000, 1970)ら広島長崎の研究.hypocenterから1500m内にいた母親,1500〜1599mにいた母親,2000〜2999mおよび3000〜3999mにいた母親から生れた児童(premature radiation)について,本邦の一般児童統計を比較して,うかがつている.生後10年内に癌ないし白血病で死亡1例(1946年3月生れ少女,1953に肝癌死.1136m地点で母は175rad被爆.その他では18歳白血病死1(母1rad被爆).21歳直腸癌死1(母1950m,4rad被爆).1968年の本邦1歳未満の癌死期待率0.75で,これは1と大差はない.Mac Mahon(J. Nat. Cancer Insti 28:1172, 1962)によれば被爆0で1万の生産児の発癌率7.3,被爆0.6radで9.3,1.2 radで11.3といわれる.他の研究者はprenatal radiationと発癌率とは直接関連性がないとしている.そこで1〜5rad量を妊娠第3期にうけた胎児が生後10年で発癌するかどうか,こういう問題が残されているわけである.
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