Japanese
English
特集 縫合不全
尿管縫合の問題点
Some problems relating to ureterolithotomy and ureteral anastomosis
尾本 徹男
1
Tetsuo OMOTO
1
1九州大学医学部泌尿器科学
pp.823-828
発行日 1970年6月20日
Published Date 1970/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205126
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はじめに
尿路への手術侵襲に伴い,尿管の縫合あるいは吻合がしばしば必要となるが,吻合の対象として,尿路組織の他に皮膚,腸管があり,それぞれ独自の問題点を含んでいる.ちなみに九大泌尿器科1968年までの10年間の経験22)では,尿路切石術121,尿管尿管吻合4,尿管膀胱吻合64(うち膀胱部分切除に伴なうもの40, Boari法4),尿管皮膚吻合69(うち膀胱全摘に伴うもの26),尿管腸吻合61が数えられた.
これら形成手術の共通で最大の問題点は,縫合部狭窄と縫合不全による尿疲であるが,その予防法および二次的治療を総括するには,尿管外科全般への論及が必要であり,すでに秀れた成書3)20)も認められる.そこで今回は筆者の限られた体験ではあるが,教室慣用術式を中心に,手技的な問題点と合併症の処置について述べてみたい.
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