外国文献
外傷とDIC,他
pp.707
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205110
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Disseminated intravascular coagulation(DIC)のシンポジウムがJ.Trauma 8月号に特集されているが,さしあたり,Mckay(9:646, 1969)を紹介しておきたいが,病理学の立場から論じていること勿論である.細小動静脈・毛細管の栓球ないし,セン維素塊である時間以上つづけば出血ないし壊死を招くので,腎・脳・下垂体・肺・肝・副腎・小腸粘膜に好発する.程度は部位毎に不定だが,腎では無症状,tubular necrosis, bilateral cortical necrosisまでさまざま.ただし多臓器にmic-roscopic thrombiが多発したことは直ちに継続時間,重症度を示さない.まず栓球,fibrinogen, prothrombin complex,Ⅴ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅹ因子の欠乏がみられ,これが血栓形成に消費されている.active fibrinolysinが同時におこり(maximalに),やがて上記因子は正常以上(100−800%)となつて回復する.症状は程度によつて,さまざまの度のショック,無尿,ケイレン,嘔吐,下痢など.
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