検査と主要疾患・40
DIC
松田 保
1
1東京都老人総合研究所臨床第2生理
pp.442-443
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909348
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DIC (disseminated intravascular coagula-tion血管内凝固症候群)は,血管内に血栓が多発することにより,血小板,各種の凝血因子が消費されて低下し,このため血栓による臓器症状とともに出血性素因を来す症候群である.脱線維素症候群,消費性凝固障害などと呼ばれる症候群は,DICとは多少のニュアンスの違いはあっても,これとほぼ同一と考えてよい.このように,血栓の多発と出血傾向という一見相反した症状を呈する点がDICの特徴であり,最初は比較的珍しいものと考えられたが,最近,種々の疾患の末期にしばしばDICの発現がみられることが明らかとなりつつあり,各科領域の診療に当たって,今や,DICを無視することはできないといってよいと思われる.
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