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特集 心臓と血管の外科
論説と症例
大動脈弁移植に際しての移植弁保存方法について—第1報 保存方法による物理的性質の変化および処理液の殺菌作用
A study on preservating method of aortio valve for transplantation
小林 寛伊
1
,
池田 貞雄
1
,
水野 明
1
,
三枝 正裕
1
,
井筒 正夫
2
,
小島 俊雄
3
Hiroyoshi KOBAYASHI
1
,
Masao ITSUTSU
2
,
Toshio KOJIMA
3
1東京大学医学部胸部外科教室
2東京大学工学部機械工学科
3東京大学工学部計数工学科
pp.494-500
発行日 1970年4月20日
Published Date 1970/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205080
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大動脈弁移植は,1955年10月,Murray1)により,無菌的に採取後,生理的食塩水中に36時間保存された同種弁を下行大動脈に移植されたのが最初で,同所移植は,1961年Bigelow2)によつて初めて行なわれ,1962年Ross3),さらに1964年Barratt-Boyes4)により行なわれ,今日では,各地でさかんに同種及び異種大動脈弁移植が行なわれており,その長期成績についても報告されている.しかしながら,新鮮弁については,その採取,保存に関して多大な困難がともない,実用面では,保存弁を使用する方がはるかに容易である.
現在までに種々の保存方法が報告されているが4-9),まだ確立された方法はない.われわれは,保存弁の物理的性質の変化を,各種保存液について比較検討し,あわせて,保存液の薬理作用をも検討を加えた.
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