Japanese
English
論説
レーザ・ビームによるヒトの腫瘍の治療
Laser radiation of malignancy in man
菱本 久美郎
1
,
土地 邦和
1
,
安達 秀治
1
,
桜井 靖久
2
,
藤正 巌
2
,
渥美 和彦
2
Kumio HISHIMOTO
1
,
Yasuhisa SAKURAI
2
1東京大学医学部第1外科学教室
2東京大学医学部医用電子研究施設
pp.811-817
発行日 1969年6月20日
Published Date 1969/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204871
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はじめに
1959年にMaiman16)がルビー・レーザの発振に成功してから今日までのわずか数年間に生物学,医学領域におけるレーザの基礎的並びに応用面での研究も著しく進歩したが,殊にレーザによる腫瘍の治療は極めて興味ある応用部門として注目され1963年以来欧米殊に米国においてMcguf17)18,19),Minton と Ketcham20)21)22),Goldman とWilson4)5)6),FineとKlein2)3)らにより動物およびヒトの腫瘍について試みられレーザの腫瘍への効果について検討されて来ているのに対して,本邦では渥美・桜井26)らによりマウスの移植腫瘍について報告されたのみでヒトの悪性腫瘍のレーザ療法に関しては未だ報告をみない.
私どもは東京大学医学部医用電子研究施設において国産の高出力医用レーザ装置を用いて,老人の下腿に発生した皮膚の扁平上皮癌をレーザで治療する機会をえたので,本邦におけるヒトの癌のレーザ治療第1例13)とたて報告するとともに腫瘍のレーザ療法一般について現況と展望とを概説する.
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