外国文献
頭部外傷後の外水頭症
pp.411
発行日 1969年3月20日
Published Date 1969/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204816
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CSF路閉塞があれば外水頭症(ext.hydro.)か発生するわけだが,クモ膜下に出血あることか多い.さてLewin(Brit.J.Surg.55:747.1968)は重症頭部損傷59例に気脳法で全般的な脳室拡張をみとめ,うち,39例にはCSF通路の閉塞を見出しえず,残る20例にbasal cisternに閉塞が証明された.20例の中で8例は脳圧亢進症状あり,12例はなかつた.気脳法は意識障害の残る急性期,1ヵ月後までserialに行ない,進行状況をうかがつた.di Chiro(Neurology 14:185,1964)らはRISAをCSFに注入,scintillationで24〜48時間追跡してCSF通路障害を証明する方法を用い,Bannister(Lancet2:1014,1967),Brocklehurst(J.Neur.Neurosurg.Psych.31:52,1968)が追試している.LewinもRISA法をこころみ気脳法と同じ結果を得ている.外傷後の交通性hydroではCSF圧正常でdementiaを呈する症例がある.Lewinの進行性脳室拡張では脳室圧と,その作用する脳面との間にPasca1法則に従うreciprocal作用があるだろう.CSF圧正常ということは必ずしもhydro進行を否定するものではない.したがつて気脳法でたしかめ脳室心房シャント等の療法が考えらるべきである.
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