Japanese
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特集 人工臓器への歩み
人工血管
Synthetic arterial prostheses
神谷 喜作
1
Kisaku KAMIYA
1
1名古屋大学医学部分院外科教室
pp.37-42
発行日 1969年1月20日
Published Date 1969/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204773
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はじめに
臓器移植のつぎにくるのが,完全な機能をもつ人工臓器の時代であろうということは多くの人が考えているところである.
現に同種臓器を全く必要としない代用臓器として人工血管が存在して十分に臨床的に利用されている.思うに,生体内に移植して,その個体の一生の間,完全にその機能を果し,しかも消耗荒廃することのない人工臓器としては目下のところ,人工血管をおいては他にないといつてよい.その理由は,決して人工血管そのものが極度に発達した人工臓器であるというより血管という器官が血流を通じさせればよいという極めて単純な機能しか持たないということである.大動脈から四肢の血管にいたるまで,一定以上の太さを有する動脈ならば,人工血管で置換できない部分はないといつてよい.
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