学会印象記 第68回日本外科学会総会
脳外科領域
金谷 春之
1
1岩手医科大学第二外科
pp.1377-1379
発行日 1968年8月20日
Published Date 1968/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204676
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日本外科学会総会における脳神経外科に関する講演は,開会第1日目(4月10日)の午前中第1会場(観光会館ホール)にて一般講演7題に引続いて,シンポジゥム「脳外科における髄液圧亢進」が植木教授(新大)の司会のもとに主題5,それらに6題の追加があつた.脳外科領域における,脳腫脹,脳浮腫の問題を中心に討議されたが,これはすべての脳疾患に随伴するきわめて重要な病態でありながら,これに関しては現在なお明らかでない.シンポジゥムではこの難題に対し,病態ならびにその発生機序,治療等を中心に従来よりさらに深く追求され意欲的にそれぞれに重要な知見を発表され,聴衆の会員に多くの感銘を与えた.第2日目には午前,午後にわたつて第4会場(社会教育センター)において一般演題29題が発表された.その後第2会場で「脳血管障害の外科」と題する教育講演が佐野教授(東大)により,動脈瘤,動静脈瘤を中心とし,診断.治療ならびに成績に関する現況をわかり易く解説され,脳外科以外の会員の出席も多数見うけられ,その関心の深さを知り喜ばしく思うとともに,大学あるいは研究所において明らかにされた診断上の確実な知見はこのような機会をしばしばもつて,医療全般の向上に資すべきで,現在特にそのような教育の意義の重要性を痛感した次第である.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.