グラフ
外科的大腸疾患のX線診断における新しい試み—高濃度低粘稠性造影剤使用による単独空気注入二重造影法とその診断的意義
代田 明郎
1
,
服部 博之
1
,
吉岡 正智
1
,
恩田 昌彦
1
,
内田 隆也
2
,
浅川 祐三
2
,
小俣 則夫
2
,
中島 義磨
2
1日本医科大学松倉外科教室
2日本医科大学放射線医学教室
pp.7-12
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204487
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造影剤注腸による外科的大腸疾患のX線診断法としては,充盈法,レリーフ法および空気注入二重造影法の一連の検査が行なわれているが,手技的に頬雑であるばかりでなく,従来使用されているような濃度の薄い注腸用バリウムやこれに単に強い付着剤を添加したものでは空気注入二重造影法によつて腸管の輪廓を描写することはできても,造影剤の粘膜付着が適度でないために粘膜の極めて微細な病変像を正面像として明確に抽出することが困難な場合が少なくない.
そこでわれわれは,外科的大腸疾患のX線診断における1つの新しい試みとして,日常上述一連の検査を行なわないで,硫酸バリウムと水を等量に混じた,従来の注腸用バリウムに比べるとはるかに高濃度で,しかも粘稠性のある造影剤を使用して,単独に空気注入二重造影法を行なっている.このわれわれの方法は従来の外科的大腸疾患の一連のX線診断法に比べて単に手技的に簡略であるばかりでなく,その診断的意義もきわめて大きいものと考えるので,本法の概略とその診断的意義について述べると共に,本法による外科的大腸疾患のX線像を供覚する.
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