Japanese
English
外科の焦点
臓器移植の問題点
Some problems of organ transplantation
稲生 綱政
1
Tsunamasa INOU
1
1東京大学医学部第二外科
pp.1063-1069
発行日 1967年8月20日
Published Date 1967/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204369
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はじめに
虫垂炎に対する虫垂切除手術,胃癌や胃潰瘍に対する胃切除手術など,生体内の罹患臓器を摘除することによつて原病を根治することが今までの外科的治療の原則となつていた.その後,動脈管開存症に対する遮断,心中隔欠損に対する縫合および補填閉鎖など,形成手術も手術治療の重要な部門になつてきた.
ところで,生命維持に不可欠な臓器の機能不全に対して,これを置換しようということは誰しも考えることではあるが,なかなか臨床的に応用することは困難であつた.いうまでもなく,生体の移植免疫反応による移植臓器に対する拒否反応を克服できなかつたからである.そこでまず,臓器移植に関する過去の研究をふり返つてみよう.
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