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特集 救急患者の取扱い方
救急外科の麻酔
Anesthesia for emergemt surgery
北原 哲夫
1
Tetsuo KITAHARA
1
1東京逓信病院外科
pp.962-966
発行日 1967年7月20日
Published Date 1967/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204352
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はじめに
救急外科とひと口にいつても,その内容は多種多様で,たとえば急性虫垂炎のごときは,通常患者の体力が十分で,その手術にさいしての麻酔も格別とりたてていうほどのものはないから,ここでは論外とする.しかし一般に救急外科患者は,たとえば内臓破裂とか,胃・十二指腸潰瘍穿孔,あるいは絞扼性腸閉塞など,状態の重篤な揚合が多い.しかも術前準備がまつたく不満足で,胃内容も空虚でないことがしばしばあり,これらは麻酔施行上の大きな制約となる.一方診断も必ずしも的確でなく,実施される手術の種類や時間も予測が困難である.手術や麻酔に携わる人員,設備も不十分な環境で,やむをえず行なわれる場合が少なくない.
しかし救急外科といつても,真に一刻を争うものはむしろ少なく,術前1〜2時間の猶予があるのがふつうだから,この期間を最大限に活用して,患者の体力評価に役立つデーターを少しでも集め,これに対処する術前準備をなすべきである.
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