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特集 救急患者の取扱い方
熱傷の救急処置
Emergency care of burns
塩谷 信幸
1
Nobuyuki SHIOYA
1
1東京大学医学部形成外科
pp.949-956
発行日 1967年7月20日
Published Date 1967/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204350
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はじめに
熱傷の治療法は現在これから発展していく学問の分野であり,どの一つの問題を取りあげても全く相反する幾つかの意見に出あうことが珍らしくない.これは熱傷の基礎的な研究,臨床的な研究がいままであるていど等閑にされていたということもある.また現在諸外国において熱傷をあつかうのは,形成外科とされているが,この形成外科自身が非常に新しい専門分野であり,その発展途上にあるためであるともいえる.このようにいろいろ解明されなければならない問題をもつているということは,研究するものにとつては,非常に面白い分野となるが,第一線で熱傷の治療にあたられる方々は,実際の治療にあたつて,どのような治療方法をえらべばよいかしばしば迷われるのではないかと思われる.そこで今回は最新の学説,ないしは問題点はさておいて火傷の患者が救急にかつぎ込まれた場合,どのように治療するのが一番実際的でしかも安全な線であるかという点について述べてみたい.すなわち現在認められている火傷の治療の原則に基づいて,日本の医療体制のなかで可能な実用的な方法をえらんでいきたいと思う.
著者は最近8年間ニーユーヨーク州のオルバニー大学において,一般外科と形成外科を研修する機会を与えられた.
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