外国文献
破傷風,他
pp.549-552
発行日 1967年4月20日
Published Date 1967/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204288
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1966年1年に世界で5万名の破傷風死があつた.Creech (Ann.Surg.146:369, 1957)は死亡42%であつたが,その後連続19例の生存を得ており,破傷風では少数例の成績はアテにならない,また各地から報ぜられた各種の治療法の比較は,その流行性因子,看護法などの相違のために,意義が少い.しかし本欄でも注意を喚起してきたように抗血清(ATS)のみでなく,その他を併用する療法がすすめられている.さてGoyal(Lan-cet 2:1371, 1966)はインドで1年間に470例を治療し,ATSなき群103例(1),ATS 1万単位127例(Ⅱ),3万単位133例(Ⅲ),6万単位107例(Ⅳ)の4群にわけ,性別・年齢・潜伏期・症状など大体おなじようにして,比較した.生存率はⅠ群54.5%,Ⅱ群59.0%,Ⅲ群50.4%,Ⅳ群52.3%で,各群の間に有意差がない.年齢では35歳以上は生存44.7%で有意に低く,55歳以後では30%にすぎない.性差はない,潜伏期15日以上では生存64%で高いが,1〜7日では47%,24時間以内では37%の生存.全身強直ケイレン者は41%,さらに高熱あれば10%の生存で,予後わるいことを示す.
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