Japanese
English
症例
重症筋無力症の1手術例
An operated case of myasthenia gravis
本山 登
1
,
阿部 富男
1
,
斉藤 洋
2
Noboru MOTOYAMA
1
1新潟大学医学部外科教室
2新潟大学医学部第1内科教室
pp.287-291
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204245
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はじめに
重症筋無力症の本態に関する広範な研究にもかかわらず,現在なお不明な点が多いが,神経筋接合部のacetyl-cholineに対する反応態度に異常のあることは一般に認められており,neostigmine(vagostigmin)の導入1)2)tensilon(edrophonium, Antirex)test3)の応用は筋無力症の診断のみならず,治療を大いに発展させた.1939年Blalockが本症に対して胸腺剔出術が有効なことを発表4)して以来,重症筋無力症に対する手術が注目され,手術の適応とその効果に関してはおのおの異つた見解を示してはいるが,広く胸腺剔出術が行なわれ,ある程度の成果を収めている5)6)7)8)9)10)11).
最近,われわれは発症から約100日でcrisisを起こし,2ヵ月間に8回myasthenic crisisを繰返した激衝型の重症筋無力症に対し,正常と思われる胸腺を剔出し軽快をみた1例を軽験したので報告する.
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