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心臓の移植
近藤 芳夫
1
1東大分院外科
pp.1262-1264
発行日 1966年9月20日
Published Date 1966/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204088
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心臓は古くは魂の座"the seat of the soul"と考えられ,最後まで外科医の手を免れた臓器であつた.しかしながら,その機能は2組のポンプ作用に要約されることが明らかとなり,これを他の装置で置き換えようとする要求が,近年の代用心臓(heart substitute)の発達となつた.その第1は人工心肺装置で,心臓外科の今日をもたらす礎石となつたのは周知のことであり,装置の改良に絶え間ない努力がくり返されているが,心肺機能の完全な代行はなお4〜6時間が限度とされている.
その第2は人工心臓で,心臓の取り換えを目指すものから,機能の一部を分担し本来の心臓の負担を軽くしようとする補助心臓(booster heart)まで種々な型のものが作られことに後者についてはDe Bakeyは5例,Kantrowitzは2例の臨床例を実施し,そのニュースが新聞紙上を賑わしている現況である.第1図は人工心臓開拓者の1人としてDr.Kolffとともに研究を重ね,その後Dr.Kantrowitzのもとに加わつたDr.Akutsuの最新型の完全置換人工心臓の胸腔内埋没部分である.
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