外科学温故知新・27
心臓外科(心臓移植)
川内 基裕
1
Motohiro KAWAUCHI
1
1国際医療福祉大学大学院
pp.1563-1570
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101941
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はじめに
この30年弱の間に心臓移植は終末期における心臓疾患治療の選択肢として確固たる地位を築き上げてきた.さらに,1980年代以降の心臓移植成績の向上は終末期の心不全に様々な治療の光を当て,種々の薬物療法や人工心臓などの治療法が開発されてきた.
心臓移植には,血管吻合技術に始まる血管外科,体外循環技術,心臓外科,臓器の保存法,移植免疫抑制法などを集学的に必要とする.20世紀初頭から始まった数知れない実験や研究開発が1つずつ実を結ぶことによって心臓移植が普遍的医療の地位にたどり着いたのである.本稿では,心臓移植を成就させるに至った多くの研究者のなかから特に突出した2人を紹介するとともに,臨床心臓移植の開始と現況,さらに将来に向かう実験的研究として異種心臓移植についても言及する.
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