外来の治療 実地医家のための外来治療・12
外来における四肢外傷の治療(1)
小谷 勉
1
,
豊島 泰
1
1大阪市立大学医学部整形外科
pp.509-513
発行日 1966年4月20日
Published Date 1966/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203946
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はじめに
四肢の外傷のうち,どの程度のものが外来で誤りなく治療できるかということは,疾患の軽重とともに,通院治療中の観察が十分できるかどうか,(特に数人の医師が交代で外来診察に従事する場合に)が本質的な要因になると思われる.空床数や,患者の経済,家庭の事情によつても,少々のリスクを覚悟しながら外来治療を敢えて行なわねばならぬことがある.かかる場合には,とくに私どもが十分の注意をもつて治療に当らねばならぬので,簡単な疾患以上に医師のエネルギーが要求される.
第1,2,3表はそれぞれ昨年1年間の大阪市大・整形外科における夜間救急外来でとり扱つた四肢外傷、外来手術,外来ギプス固定症例数であるが,私どもの整形外科の常時使用ベッド数が85であるので,この中には入院加療が望ましいと考えられるものも多数含まれるが,2,3の関係病院を調査してみても,だいたい上肢の肘以遠,下肢のうち下腿以遠のものは外来治療が可能の範囲内にあるものが多い.
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