外来の治療
外来における四肢外傷の治療(3)—手の外科を中心に
小谷 勉
1
,
豊島 泰
1
1大阪市大医学部整形外科
pp.811-815
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204002
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I.創傷処理
外科医が日常よくとり扱う開放創の閉鎖処理について,特に皮膚より深部の血管・神経・筋・腱・骨などの諸組織にも損傷がある場合に守らねばならぬ幾つかの原則がある,けして健康保険の点数には見合わぬ程のたいへん手間のかかることであるが,初期の努力こそが感染を防止し,あとのよりよい機能を保たしめ得るので,外科医はそれによつてのみ報いられると言つても過言ではない.この初期の注意をおこたつて化膿をおこしたり,あるいは2次的な瘢痕治癒による創の閉鎖を期待することは,むしろ罪悪と言うべきではなかろうか.以下私どものとつている処置について少しくくわしくのべる.
救急の処置としては,駆血帯による止血と創面を清潔なガーゼでおおうのみで十分であろう.もちろん骨折があれば外固定を要する.
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