グラフ 外科病理アトラス
乳腺症
増田 強三
1
1京都大学医学部外科第2講座
pp.287-291
発行日 1966年3月20日
Published Date 1966/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203909
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
乳腺症Mastopathieは1927年にMoszkowiczによつて命名された乳腺の疾患であるが,すでにそれ以前にも乳腺に嚢腫性の変化あるいは,上皮細胞の増殖や委縮像,細胞浸潤,汗腺上皮への化生等の多彩な変化があらわれる疾患のあることをCooper等が報告し、同義語と目される病名は50以上にも及んでいる.最近米国あたりはCystic Disease of theBreastという病名が多く用いられているようである.本症の本態に関しては、古来多数の意見があるが,大別すると次のようである.
1)腫瘍性変化とみなすもの 2) 慢性炎症変化とみなすもの 3) 退行了性変化とみなすもの 4) 寄形性変化とみなすもの 5) 以上の諸変化を総合して生殖腺の機能失調に起因するものとして一つの疾病慨念に統一しようとするもの
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.