外国雑誌より
ドイツのUnfallchirurgie
渋沢 喜守雄
1
1国立王子病院
pp.1601
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203827
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交通事故,鉱山事故・天変など相ついで起こり救急外科の必要性が,いまさらのように,痛感されるが,ドイツではBauer教授らが1950年台にすでに立派な医学的な交通事故統計,メカニズムの研究をやりあげており,日本の医学が社会情勢から遊離して白亜の殿堂の中にこもつているのではないかと反省させられる.Zuckschwerdt教授は昨年12月の第94回西北ドイツ外科学会でドィッUnfallchirurgieの進歩という特別講演をしているので,紹介して,本邦外科家の参考に供したい.Wien大学1904年Hoheneggの外科教室では9カ月間に外傷わずか28例だったが,Zuckschwerdt教室最近10年間に外来入院あわせて45,000の外傷が来ており,外科患者総数の1/4ちかくが外傷であるというほどに,外傷患者が激増した.ドイツではビスマルクが外傷保険をはじめて作り,ローマルがさらにこの制度を充実したが,これが今日のドイツのUnfallchirurgie発展の経済的基盤となった.
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