特集 世界の看護教育制度
ドイツ連邦共和国(西ドイツ)
小沢 清子
1
1厚木看護学院看護婦学科
pp.646-652
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906818
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はじめに
ドイツは美しい国,伝説と詩のライン,ロマンティク,古城と大学の町ハイデルベルク,ゲーテの‘ゲッツ’で知られるハイルブロンの町,中世の面影を漂わせる古都ローテンブルクの町は,いつしかグリム童話の世界に誘われ,数限りなく昔ながらの美しい風景と文学,歴史を繰り広げてくれる.しかし,更に深い印象を与えるのは,ドイツ人の精神と意欲のたくましさであろう.日常生活の根底にあるものは,地域差,階級によって違うかもしれないが,自らに克ち,神のために忍び,賛美と感謝を持ち,外国のものまねをしない.それは意識してしないような感じも受ける.
‘よくしゃべる’というのが,ドイツ人の中でしばらく暮らした日本人の多くの感想である.‘おしゃべり’という言葉には軽べつの意味が含まれている.しかしドイツ人がよくしゃべるという場合,私は軽べつの気持ちを含めていない.軽薄な感じを与えずに多くしゃべるためには,自分自身の考えを持つことが必要であろう.各人の思考法と各人の自主独立性ということだと思うからである.
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