グラフ
"走る手術室"救急治療車
橋本 義雄
1
,
榊原 欣作
1
1名古屋大学医学部第1外科
pp.1064-1070
発行日 1965年8月20日
Published Date 1965/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203707
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近年,交通災害をはじめとする各種の緊急災害は激増の一途を辿つている.相次いで起こる交通事故,炭鉱の爆発事故など不慮の災厄は枚挙にいとまがない.突然に起きるこれら不幸な被災者,負傷者の救済は非常に重要な社会問題であり抜本的解決の1日も早からんことが望まれている.
しかし,とくに臨床医学的な立場からすれば,これら不幸な患者の治療に関するもつとも重要な問題は,もつとも適切な治療をできるだけ早期に開始すること—すなわち迅速適確な初期治療first aid—であると考えられる.初期治療の当否と遅速は患者の生命予後を直接に左右する重要な問題でありながら,従来の救護体系においては,初期治療の重要性はそれほどまでに認識されていなかつたのである.
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