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輸血問題について(厚生省の立場から)
山形 操六
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1厚生省薬務局細菌製剤課
pp.1347-1348
発行日 1964年10月20日
Published Date 1964/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203443
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最近,輸血後肝炎(血清肝炎)の多発ならびにそれが常習売血者の提供する保存血液に起因するとの解釈から,売血制度そのものの批判と常習売血者を供血源にもとめている一般血液銀行の業務のあり方について強い反省をうながす報道が,新聞,ラジオ,テレビなどによつて連日伝えられている.数年前から保存血液の供血源に関する問題は事ある毎に話題にのぼつてはいたが,ライシャワー大使が負傷後日本の病院においてなされた輸血が原因で血清肝炎を併発し,ハワイで療養されているというニュースが報道されるに及んで血液問題が大きな祉会問題となつたことは事実である.また,山谷,釜ケ崎などに居住する入たちの中で,自己の健康阻害を承知して供血安易に現金を入手しようとする一部の固定供血層の問題も大きくクローズアップされた.
低比重血液,いわゆる"黄色い血"が直接血清肝炎を誘発するかのごときニュースを散見されるが,現実として献血による保存血液の製造量は全体の3%にも達しない今日売血を一切中止することの困難をどう押し切つて行くのかということになると,国の対策上なかなか問題点は多いのである.現在,諸施策を早急に実現すべく努めているが,根本的な考え方を御披露して諸賢の御叱正を得たいと思つている.
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