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厚生省便り
pp.246-252
発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200632
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發疹チフス流行の概況とその對策
本年1月東京に発生した発疹チフスは,漸次上野驛地下道や淺草附近を根據としている浮浪者の間に蔓延し,2月上旬に入つて東京を中心に全國10縣におよそ150名位の患者を出したが,当時はその90%までが上野地下道に関係ある浮浪者とその接触者に限られた観があり,東京以外には集團発生は見られなかつた。
その後横浜でも,日傭勞務者の宿舎である西片町共栄会の宿舍から集團発生があり,つづいてあちこちの宿舍や水上宿泊所等に密集生活をしている日傭勞務者や浮浪者の間に続々と多数の患者を出し,厚生省で受理した報告によれば,本年1月以降2月23日までの全國発疹チフス患者発生数は,神奈川287名(内眞症決定164名死亡11名),東京214名(内眞症決定158名,死亡13名),千葉13名,埼玉6名,茨城5名,愛知5名,長崎5名,長野4名,大阪3名,廣島3名,靜岡2名,岩手1名,宮城1名,福島1名,鳥取1名,兵庫1名,佐賀1名,熊本1名合計555名(昨24年は年間を通じ105名)の多数に上つている。
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