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特集 脳・頸部・胸部の症例
頭蓋内血腫における脳循環と代謝について
Cerebral Circulation and Metabolism in Intracranial Hematoma
斉藤 義一
1
Yoshikazu Saito
1
1鳥取大学医学部桑原外科
1The 2nd Department of Surgery, Tottori University School of Medicine
pp.1141-1147
発行日 1964年9月20日
Published Date 1964/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203408
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はじめに
主として頭部外傷に起因する各種頭蓋内血腫の治療は脳外科における一つの重要な部門である.脳血管撮影はもとより,最近では超音波によるなど早期発見とことに早期に適切な手術が行なわれて治療成績の向上も著しいが一般的にはなお満足すべきものとはいえない.
たとえば(京大)松村氏15)の成績をみると全体の死亡率は23%で急性型に悪く慢性型に良好である.宇山氏10)らは急性頭蓋内出血型の手術で40%以上の死亡をみて本来手術で救われてよいはずの症例群の高率の死亡を歎じている.慶大工藤氏11)らはまた手術方法の改良を試みて頭蓋穿孔による洗滌法で優秀な成績をあげているがこれは一面じうらいの方法が氏らにとつて必らずしも満足すべきものでなかつたのかと思われる.著者も時折り本疾患手術を経験するが決して満足すべき成績に至らない.
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