グラフ
縦隔に入る胸骨縦切断の後心血流遮断の紐を通す手技
織畑 秀夫
1
,
新井 達太
1
1東京女子医科大学
pp.1001-1007
発行日 1964年8月20日
Published Date 1964/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203389
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開心術では縦隔に入る方法としての胸骨縦切断については前回のグラフで示した.つぎに大切なことは心臓に出入する大血管に紐を通して,必要のときに血流を遮断する操作である.これによつて大出血を避け,同時に開心術の際に心腔内を無血にちかくすることができるので,手術の危険が大部のぞかれる.
大血管の周囲に紐を通す操作はもつとも危険のあるところで,初期の頃,時々出血をおこさせて危険に陥つた例をみている.もし危険を最少限にしようとするならば,視野を十分に大きくして,紐を通す部位を指で触診し,かつ目でみながら手術できるようにすべきである.このため,胸骨を完全に離断するならば上大静脈大動脈および肺動脈等の根部がきわめて容易に処理できる.
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