特集 腹部外科の臨床
研究と報告
成人の小腸逆行性5筒状重積症の1例
池尻 勝
1
,
中田 嘉則
1
,
永井 彰
1
,
伊崎 駿
1
1戸畑市立病院外科
pp.1287-1289
発行日 1965年9月20日
Published Date 1965/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203761
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腸重積症は外科の領域においては必ずしも稀な疾患ではない.しかしながら,腸重積症例の3/4は廻盲部重積症であつて,廻盲部以外の小腸,結腸にはその発生は少なく,また,腸重積症例の半数以上は10歳未満の幼少者で,成人は幼少者に比してかなり低頻度である.
われわれは,最近,成人における小腸重積症の1例を経験して,腸切除術を行つたが,切除せる腸管は逆行性5筒状の重積であつた.このやうな小腸の逆行性5筒状重積症は,広瀬も述べているように,甚だ稀であつて,本邦では,広瀬は.自験2例共例であるといつている.われわれも、文献を渉猟した結果,広瀬の報告以後において,われわれの例も含めて8例を見出したに過ぎなかつた(第1表).
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