Japanese
English
手術の実際
腸外科—Ⅳ.腸閉塞症(2)
Intestinal obstruction
西本 忠治
1
Tadaharu NISHIMOTO
1
1岡山大医学部第一外科
pp.1382-1389
発行日 1963年11月20日
Published Date 1963/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203198
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.絞扼によるイレウス
絞扼部が発見されたらその索状物を2本のペアン鉗子ではさんでその中央部で切断する.索状物はできるだけその基部で結紮切断する.多くの場合,腹膜癒着,大網膜時には,メッケル氏憩室,臍腸管源の血管,卵巣嚢腫などのこともある.絞扼部が1つ以上のこともあるのでよく調べねばならぬ.壊死の危険がないときにはそのまま腹腔内に戻すが,壊死の危険があるときは型のごとく腸切除を行なう.空腸ならば端々吻合でよいが,廻腸下部に近いときには浮腫により腸内容の通過障害をおこしイレウス状態が持続していることがあるので大きく側々吻合を行い,ドレーンは挿入しない.
膨隆した腸管を多量に腹腔外に出すから,ガーゼその他の異物が迷入することがあるので特に警戒すべきだ.(第5図にはヘルニヤ腔での小腸の絞扼性イレウスを示した).
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.