特集 整形外科症例集
動脈栓塞症の2例
射場 立文
1
,
二宮 石雄
1
,
佐々木 襄
1
,
増田 哲彦
1
1広島大学医学部第一外科
pp.1336-1339
発行日 1963年10月20日
Published Date 1963/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203176
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循環器疾患の診断,治療に関する進歩は目覚ましいものがあり,なかでも心臓大血管外科は低体温麻酔,人工心肺装置の応用とあいまつて長足の進歩を遂げてきたが,最近にいたり,本邦においても末梢血管外科への関心が昂まりつつあり,動脈栓塞症に対してもできるだけ早期に外科的に栓塞摘除術が試みられるようになつてきた.大腿動脈の栓塞摘除術は初めてSabaniyeff1)(1892)により試みられ,1911年にいたり初めてLabey2)により栓塞発生6時間後の大腿動脈栓塞摘除術の成功例が報告されて以来Haimovici3),Warren4),Shu-macker5),Samuel6)等によりまた本邦においても神谷21),提島19),大原20),本吉17),曲直部16),その他15)から経験が発表され,その数も次第に増加しておる.本症においても早期診断,早期治療が非常にその予後を左右し,しかも適確な外科的治療が望まれる.
しかし発見がおくれた晩期の栓塞症でも抗凝固剤の使用と外科的手術によりかなり良好な成績が報告7)されるようになつた.
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