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血栓栓塞病,他
pp.1041-1048
発行日 1970年7月20日
Published Date 1970/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205158
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急性であれ再発であれ,血栓栓塞病の原因にthrom-bophlebitisに伴う感染が見出されることがある.DeTakats(Am.J.Med.Sci.184:57, 1932),Kendall(J.Inf.Dis.44:282, 1929)らが古くこれを強調している.Altemeier(Ann.Surg.170:547, 1969)は6.5年間に外科的に除去した血栓栓塞31例からL型の菌を血液培養で見出し,この基礎から,L型ないし非定型菌が血栓栓塞の重要な因子ではないかと考え,20〜29歳ごろ好発するのは大部分女性(感染流産など),45〜75歳ごろのピークは大部分男子(癌など)という事実をふまえ,L型菌発育,凝血性充進にホルモン因子が加わると考えた.臨床的には急性症18例,再発多発28例,系統循環障害4例につき,好発の性年齢とホルモン使用,外傷有無,癌有無,感染所見を精査,50例にL型を血液に培養しえ,L型菌発育の条件をたしかめ,実験的にはL型菌ことにbacteroidesが主で,血栓栓塞はendo-genousであることをみつけた.妊娠,Enovid投与はin vitroでヘパリンを阻害した.norethylnodrel添加は更にL型発育を促進することを知つた.血栓栓塞の予防はL型の作用機序をたしかめてかるべきであるという.
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