文献抄録
純エタノールにより腎動脈栓塞について
pp.251
発行日 1985年3月20日
Published Date 1985/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204008
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腎動脈の栓塞術(Embolization)は,腎癌の治療法の1つとして広く普及しており,またその手技方法もいろいろと報告されている。純エタノールを校塞術に初めて応用したのはEllmanら(1980)であるが,最近では最も有力な栓塞方法と言われている。
著者らは,1981年から1983年までに腎癌21症例に対して腎全摘出前に純エタノールによる栓塞術を行つてその結果を報告している。症例は腎癌stage Ⅰ6例,stage Ⅱ4例,stageⅢ9例,stage Ⅳ(遠隔転移)2例で,年齢35歳から77歳(平均64歳)の患者である。全例に栓塞術後に経腹膜的腎摘出術を施行した。栓塞術から手術までの間隔は,栓塞術の当日4例,翌日14例,その他3例である。著者らの栓塞手技は,まず股動脈よりSeldinger法により大動脈撮影を行い,ついで4.1Fr.Shep-hard-Crookカテーテルにて選択的腎動脈撮影を行う。この撮影後カテーテルを5Fr.,5mmの閉塞用バルーンカテーテルに交換して,これを腎動脈内に留置する。バルーンにて腎動脈を閉塞して5mlの純エタノールを徐々に注入し,その後20分してバルーンを収縮させ動脈撮影にて閉塞状態を観察する。
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