特集 整形外科症例集
仙骨部脊索腫の1例
岩波 英雄
1
,
今仁 剛正
1
1昭和医大外科教室
pp.1303-1306
発行日 1963年10月20日
Published Date 1963/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203169
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脊索腫は胎生期に存在する脊椎の原基である脊索の残遺組織から発生する腫瘍で,1856年にVirchowより初めて報告された.以来欧米においては比較的多くの報告があり,Littman(1953)の仙骨部脊索腫160例の文献報告によると,仙骨部脊索腫は全脊索腫報告例の50%をしめている.これに反し本邦ににける脊索腫については現在まで49例の報告例があるが,その内仙骨部脊索腫は13例にすぎず,比較的稀れな疾患とされている.
私共は最近大きな仙骨部腫瘤を手術剔出し,病理組織学的検査により仙骨部脊索腫と診断された1例を経験したので報告する.
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