Japanese
English
検査と診断
救急患者の臨床検査
Laboratory Test for Emergency Patients
藤田 五郎
1
Goro FUJITA
1
1自衛隊中央病院
pp.1053-1056
発行日 1963年8月20日
Published Date 1963/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203134
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はしがき
"救急医療対策"の強化が叫ばれている.救急患者の診療能力の増強は,種々な社会状勢からみて当面の急務であるけれども,その一部をしめる"緊急臨床検査"もまた注目されなければならないものであろう.
日常の診療にさいして,急に臨床検査が必要となることは少なくない.たとえば腹痛の患者の白血球数やジアスターゼ値を求めたり,緊急手術をする患者の全血比重,出血時間,凝固時間を測つたり,輸血の必要なときに血液型を検査したりすることなどは従来からどこにおいても行なわれている.しかし,緊急検査の項目は近代的医学の発展とともにいちじるしく増加してきている.たとえば糖尿病昏睡患者について血糖値の概略を求めたり,脱水状態で入院してきた患者の残余窒素(NPN)あるいは尿素窒素を測つたり,緊急手術を行なうようなさいに循環血量を測定したり,心電図やX線撮影さらには迅速組織検査を行なつたり,輸液療法を開始するにあたつて血清電解質を測定することなどは緊急時に必要とする最低の検査事項となつてきている.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.