Japanese
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特集 癌の補助療法・1
癌の外科療法に対する補助化学療法
Prophylactic and adjuvant use of chemotherapeutic agents in the surgical treatment of cancer
卜部 美代志
1
,
山本 恵一
1
,
綱村 史郎
1
,
福田 明史
1
,
大島 輝也
1
Miyoshi URABE
1
1金沢大学医学部第1外科教室
pp.17-25
発行日 1966年1月20日
Published Date 1966/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203855
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はじめに
現在癌の治療法として有効なものが三つある.第1に外科療法であり,第2に放射線療法であり,第3が化学療法である.化学療法が第3にされているのは,その有効性が劣つて外科療法,放射線療法に次いで第3番目に位するものという意味ではない.有効治療法として歴史的に第3番目に出現した方法と解することもできようが,それよりも吉田も述べているごとく38),外科や放射線療法が局所的に効果をおさめ,化学療法はあとに残された全身的の癌細胞を攻撃して治療の最終仕上げをするといつた意味に解するのが至当のようである.そこで,本文においては癌の化学療法の奏効機転を考察して,外科治療に合併実施すべき化学療法の意義を論じ,私どもの現在までにあげ得た合併療法の成績について述べることにする.
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