特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
食道疾患
桂 重次
1
,
阿保 七三郎
1
1東北大学
pp.811-815
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202951
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私がこれ迄経験した食道疾患の中では,何といつても食道癌が圧倒的に多い.すなわち最近16年間に桂外科を訪れた嚥下障害患者692例中食道癌は403例で過半数を占めている(第1表).
そこで嚥下に関するなんらかの訴えある場合には先ず食道癌を念頭においてレ線検査や食道鏡,細胞診等必要な検査を行つているが,これらによつてなお癌の確診がつかない症例に相遇することも稀ではない.そこで今回はこれらの中特に診断ならびに治療上困難であつたものについて赤裸々に苦心談を綴つてみることにした.
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