Japanese
English
綜説
胃の良性腫瘍—特に組織学的所見よりみた外科手術の適応
On the benign tumor of stomach:Surgical Indication From Histological Standpoint
高橋 希一
1
,
大原 到
1
,
沼倉 元彦
2
Kiichi TAKAHASHI
1
,
Itaru OHARA
1
,
Motohiko NUMAKURA
2
1東北大学桂外科教室
2石巻日赤病院外科
pp.633-640
発行日 1962年7月20日
Published Date 1962/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202926
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レ線による透視術や内視鏡細胞診等の発達および集団検診の普及等で胃の諸病変を初期の時機に検出することも多くなり,いわゆる前癌性の胃疾患も日常診療の対象となる機会が多くなつた.
殊に胃ポリープに関してはその良性,悪性の点がしばしば問題とされ,これについて最近5〜6年間に数多くの論文が発表されている.一方胃に発生する良性腫瘍がレ線上,肉眼上,ポリープ状を呈することが多く,これらの組織学的検査に基づく諸疾患の症例報告も近年相当数に及んでいる.しかしこれら良性腫瘍は癌腫に比し発生頻度が低いものであるから,臨床医家が同一人で多種の良性腫瘍を経験することは稀であろう.それにも拘らず胃の良性腫瘍全般について記載しておる文献が比較的少ないので,本文では自家症例を紹介し,各種腫瘍の性質や組織像を述べ,その処置等にも言及したい.
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