Japanese
English
症例
胃癌切除患者に対する再手術の経験
The Experience of the Reoperation for the Gastrectomized Patients following Gastric Cancer
村上 忠重
1
,
鈴木 快輔
1
,
安井 昭
1
,
金 漢相
1
,
渡辺 博芳
1
,
今仁 剛正
1
Tadashige MURAKAMI
1
,
Kaisuke SUZUKI
1
,
Akira YASUI
1
,
Kanso KIN
1
,
Hiroyoshi WATANABE
1
,
Takemasa IMANI
1
1昭和医大外科
1Department of Surgery, Showa Medical College
pp.583-589
発行日 1961年6月20日
Published Date 1961/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202783
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緒言
癌に対する治療法として,最近化学療法剤が進歩しその治験が喧伝されるに到つたが,未だその効果は十分でない.放射線療法についてもまた同様である.ことに胃癌に対してはこの感がつよい.したがつて現在においても,胃癌の治療法としては手術による根治的な切除より確実な治療法はないことになるが,実際はたとえ完全に切除し得たと思つても,再発のために再入院して来る患者の絶え間がないのが現状である.
したがつて胃癌切除後に,再発が起きた場合,いかなる治療法をとるべきかが極めて大きな問題として残つているのであるが,この点に関しては現在の所ほとんど定則がない.昔風の考えにしたがえば,いかなる処置も無効であるとしてひたすら対症療法,精神療法,あるいは麻薬連用などにたよることになるが,他方先に述べた化学療法や放射線療法を用いて,患者に生への希望を持たせ,多少なりとも延命効果をはかろうとする考えも最近では有力となつて来た.
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