Japanese
English
綜説
救急処置としての人工冬眠の経験
Experiences of artificial hibernation on the first-aid
山崎 亢吉
1
,
松崎 一郎
1
,
鈴木 喜久雄
1
,
広川 正三
1
Kokichi YAMAZAKI
1
,
Itiro MATSUZAKI
1
,
Kikuo SUZUKI
1
,
Shozo HIROKAWA
1
1名鉄病院外科
pp.815-820
発行日 1960年10月20日
Published Date 1960/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202652
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
人工冬眠はH.Laborit(1951)の臨床応用に始まり,その後多くの追試者も術後シヨツク予防に効果あることを認めたのであるが,最近は麻酔学の発達の陰に隠れて業績発表も少くなつたようである.しかしながら重症患者の治療に際して本法が在来の治療と反対に,生体反応を極力抑制し,臓器組織に休養を与える方針をとり,しかもその成績が優秀であり,複雑な機械装置を必要とせず,時と所とを選ばず実施できることは今後の疾病治療に示唆貢献するところ少くないと思う.
余等は最近3年間に極めて重篤なる術後合併症等の5例および出血中の胃潰瘍の1例にウインタミン,ピレアジン,オピスタンのカクテルの少量宛注射および表在血管冷却による冬眠を応用し,はなはだ好結果を得たのでここにその概略を報告するものである.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.