Japanese
English
薬剤
整形外科領域におけるMetasolonの使用経験
Experience of the Use of Metasolon in Orthopedic
中原 正雄
1
,
吉田 邦雄
1
Masao NAKAHARA
1
1札幌医大整形外科
1Department of orthopedic surgery Sapporo Medical College
pp.239-244
発行日 1960年3月20日
Published Date 1960/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202568
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Henchらが関節リウマチにCortisoneを使用して以来,今日まで数多くの臨床的効果が確認されているけれども,これには一定の限界があることが知られている.すなわちそれは,①副腎皮質ホルモンを使用することによる副作用,②副腎皮質ホルモンが生体の副腎を萎縮させる作用の2つである.そして,この副作用に対しては,副腎皮質ホルモンを合成することが可能になつてから,Steroid核にあらゆる変化を与えて,数百種の同族体をつくりだしている.
合成副腎皮質ホルモンのねらいは,副腎皮質ホルモンの抗炎症作用を温存して,その他の作用を除去することにあるといつてよい.Cortisone,Hy-drocortisoneのC-1,C-2のところを二重結合にして,PredonisoneとPrednisoloneをつくり,前2者に比して4〜5倍の強力な抗炎症作用を獲得したことは,人々の耳目に新たなことである.しかし,抗炎症作用を増強すると他の作用も変化して必ずしも理想的なものではなかつた.たとえば9α-Flurohydro Cortisoneの抗炎症作用は,Hydro-cortisoneに比して10倍も増強されるが,Naの蓄積,K喪失もつよくなるため臨床的使用は制約されるごときである.
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