Japanese
English
論述
鎭痙剤の化学構造とその作用
Chemical Constitution and Activity of Antispasmodics
高木 敬次郞
1
,
粕谷 豊
1
Keijiro TAKAGI
1
1東京大学医学部薬学科
1Department of Pharmacology, School of Medicine, Tokyo Univercity
pp.213-223
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905768
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藥物の化学構造とその藥理作用との間に一つの普遍的な法則を見出してその藥物の作用発現を説明する理論的な根拠を与え,或いは新藥物を合成する際の指針としたい。との希望から数多くの説が発表されたがその都度多くの例外によつて人々を失望させて来た。
合成鎭痙剤の研究過程に於ても同様である。然し多数の鎭痙剤が合成され,それ等の藥理作用が試験されて来た今日,その経過をふり反つて見る事に依り,どの様な型の化合物を作れば欲する性質を持つた藥物を得る可能性が強くなるかという概念を獲得する事は出来るであらう。鎭痙剤の中主としてAntiacetylcholine drugs抗アセチルコリン剤についてふり反つてみよう,尚1951年度頃までの文献は高木1)によつて総括されているので主にそれ以後の知見について記載する方針をとつた,以下に記載する鎭痙効力とは摘出小腸のアセチルコリン(Ach)による收縮を弛緩するに要する藥物の濃度を硫酸アトロピンと比較したものである。この効力比は各実験者,動物其他の条件によつて大きく変動するから54)真の値の推定値としては余り信頼出来るものではないが他に良い方法がないので各文献記載のものを硫酸アトロピンに対する百分率で統一してあらわした。
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