Japanese
English
症例
膀胱臍瘻の一治験例
A case of Vesico-Umbilical Fistule
代田 明郞
1
,
川島 東策
1
,
岡崎 太郞
2
Shirota Akiro
1
,
Kawashima Tosaku
1
,
Okazaki Taro
2
1日本医科大学松倉外科教室
2日本医科大学生化学教室
pp.1103-1107
発行日 1958年11月20日
Published Date 1958/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202282
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒 言
尿嚢管(胎生尿管)の閉鎖不全による膀胱臍瘻はH.Dudgeon1)によれば1550年に尿道閉塞を有する18歳の女子にみられたものが最初で,18世紀には本症の僅か4例の報告をみるのみであるが19世紀以向は欧米に於ては相等数が報告されている.即ちVanghan(1905)は本症の46例を,Begg2)(1927)は58例を,又Rieder(1934)3)は27例を夫々蒐集報告,最近ではS.Metrick4)等が1950年以後1956年までの7年間に報告された本症例について述べ,特に先天性腹壁筋欠除を伴う本症の6例を認めたと述べている.此れに反し本邦に於ては大正10年船越5)の32歳の男子にみられたものを嚆矢とし,爾来,小林(昭和15年)6),畑(昭和11年)7),田沼(昭和23年)8),辻(昭和24年)9),岡(昭和31年)10)等の本症に関する詳細なる報告があるが現在までに未だ41例を算するに過ぎない.
私共は最近松倉外科教室に於て本症の1例を経験すると共に尿嚢管を剔出治癒せしめることが出来たので茲に報告する.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.