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特集 外科的・内科的療法の限界
慢性胃炎—外科的療法の限界
Gastric chronica
島田 信勝
1
,
佐藤 雄次郞
1
Nobukatsu SHIMADA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
1surgical clinic.Keio University School of Medicine
pp.419-426
発行日 1958年5月20日
Published Date 1958/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202184
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所謂原発性慢性胃炎はKonjetznyによつて,外科的治療が行われ,而も好成績であつたことが報告されている.慢性胃炎が内科医によつて治療されている一方,外科医の間には潰瘍なき潰瘍症(ulcuskrankheit ohne ulcus)という疾患があつて,胃十二指腸潰瘍症の診断で開腹手術を行つても潰瘍が発見出来ず,そのまま腹腔を閉鎖すると,術前の胃症状が改善されないので,理由不明のまま胃切除を行うと,術前の胃困難症状が消失する場合がある.
最近はこれらの胃困難症状が慢性胃炎としての機質的変化に基く場合の多いことが次第に明らかとなり,昭和29年度日本外科学会に於いて,「シンポジウム」として取り上げられるに至り,多数の学者によつて慢性胃炎の外科的療法に関する知見が報告され,一応我が国に於いても慢性胃炎が外科的に取扱うことが承認され得ることゝなつた.
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